京大職場フォーラム2005 木谷理事の来賓ご挨拶


3.法人化について
 それから二番目に、法人化のことについてです。今日のパンフレットにも法人化によってどうなったのか、いろいろ悪くなったことが非常に多いじゃないかということが書いてありまして、今、総長もそういうことをおっしゃいました。ただ、若干私なりに申し上げておきたいことがあります。
 確かに、行財政改革ということから今回の法人化について議論が始まったということは事実であります。ただ、ご承知のように法人化というのは諸外国では当たり前のことであります。これまで国立大学の時には、法律上は、いわば文部科学省の一部局のような扱いだったわけですね。実際の行政の運用の中では、もちろんそこには憲法上の要請もありますが、大学の自治、自律性を守りながら行政が進めてきたということですが、法律上の位置づけはそうしたものだったわけです。そんな国は他にはないわけですし、永井道雄さんの大学公社論以来、大学が法人格を持つというのは、何十年来と懸案でした。我々としてはそういうことを考えて、基本的にはやはり大学改革の一環の中で自主性自律性というものを担保した法人制度を作るように努力しました。文部科学省の立場としては、そういうつもりであります。
 ただ、「実際問題としてお金がどんどん減ってるじゃないか」という話が一つあります。それからもう一つは、「いろいろ規則でがんじがらめで、自由度があんまり増していないじゃないか」という話もあります。ただこれは、まずお金の話について言えば、皆さんご存知のように、国立大学であったときから財政難の中で、どんどん、非常に切り詰められてきたわけであります。そうした国の未曾有の財政危機の中でずっと、かなり厳しい状況を強いられてきた。皆さん、いろんな新聞報道をご覧になっても分かりますけど、現在中央の行政庁の状況はもっと厳しくなってきております。正直言って、法人化が行われていなかったら、現在、大学ももっと厳しい状況になっていたかもしれません。
 もう一つは、規則のせいで、「いろいろ、もっと自由に出来ると思っていたことができない」という話もあります。しかしこれは、私自身もそうですけども、事務職員、事務局その他大学人全体も、正直言ってまだまだ法人化に慣れていない、一体どこまでできるのか見極められていないのではないかと思います。もちろんお金の問題でどうしてもできないこともありますが、本当はできるのに何となく「昔からこういうふうになっているからできないと思い込んでいる」部分もあるのではないかと思います。規則上は、相当に柔軟化されているはずです。今回の法人化の枠組みの中で、この枠組みを利用してどういうことができるのかを考え、また、これまでの前例というものを頭からいったん振り払って、虚心にやってみたらどうかを考える。みんながもっとどんどんアイディアを出し、それが実現可能かきちっと考えていく、そういうマインドが必要なんじゃないかと私は思います。まだまだそういう法人化のメリットを十分活かしきれていないのではと思うわけです。そういう意味で、もちろん私どももいろいろ考えますが、いろんなアイディアを皆さん方からも出していただければありがたいと思っています。
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